異形頭の「不気味さ」はどこからくるのか

はじめに

これは異形頭アドベントカレンダー2022 9日目の記事です。
滑り込みでほぼ確認もなしに記事錬成したので、誤字脱字あったり変な文あったら教えてくださると嬉しいです。

本題

異形頭の「不気味さ」はどこからくるのか。異形頭を見たとき、よく「不気味だ」というイメージが良く出てくる様に感じる。最近はカジュアルフレンドリーなキャラクターをした異形頭もよく見かける様になっており、そういった「不気味」という第一印象が必ずしも共通しているとは限らなくなっているが、私が以前によく感じていたその「不気味」とはどこから来ていたのだろうかと気になった。ある種、この「不気味」に惹かれ続けて絵を描き続けているので、もう少し明確に把握しておきたいという気持ちもある。ということで、今回はこれについて私なりに色々と考えてみようと思う。

ヒューマノイドという形状」

意志のないように見える植物や無機物がヒューマノイドの形を取ると、大抵は人間の目には不気味なものとして映る。よくある例でいうと、大根の根の部分の形状が人のように手足が生えているように枝分かれしているものを見て不気味がる、という感じだろうか。人間は人間以外のヒューマノイドを見ると「不気味さ」を感じやすい。異形頭はいうなれば頭部以外を極限まで人間を模倣した何かだ。当然その類の「不気味」さの範囲に入ってくるのではないか…という推察。

形状の模倣といえば人間もよくやっている。但し、人間が動物を模倣して道具などを作成する理由といえば、ぱっと考えられるものは動物の進化によって得られた形状や性質のメリットを傍受するためだったり、その形状の意図を確認する為といった明確な理由がある。…まあ模倣の理由が明確というソレも人間視点での話ではあるが。虫や植物も、自分の身を守るため(生存競争に勝つため)というわかりやすい理由の元、有毒成分を持っている生物の模様・色を模倣するように進化していっている。形状が似ている理由が明確にわからなければ、確かに理由が不明という点からくる「不気味さ」はあるだろう。

そもそもの話、人間は人型というだけで、なにかしらの自分たちに近い意志や感覚があるのではないかと勘ぐる癖があるように感じる。そういう認識・感覚が「不気味」さを感させる主な要因なのかもしれない。

「読めない意識・感情」

生物は顔の各パーツを巧みに調整し、発声の調子も変えたり、場合によっては全身の体勢をもってして多彩な感情や意志を表現する。非常にわかりやすい全生物共通のコミュニケーションツールである。しかしまず、彼らにはコミュニケーションの一つである感情を伝えるための第一ツールである、動物や人間が普通もっているような「顔」が存在しないことが多い。動物たちは相手の顔を見て感情や伝えたい事を読み取るわけだが、それが異形頭相手ではできない。感情が視覚情報からでは読み取ることができないというのが、まず「不気味」さを出しているのだろうと考える。

そもそも、彼らが生き物でなくただの「物」として存在していたとしたらどうだろう。意識がそもそも存在しないことにより「不気味さ」が増して来ないだろうか。家具や道具が動物的な感情を持って行動したりしないのは当然のこと。基本的に彼らは人の身体をかたどったものに身体がついているだけなのだ。そもそも彼らは生き物なのか、生きていなければ何のためにそこに存在しているのだろうか。こういった不安を煽る要素が一つ二つと増えていく度に「不気味さ」は増してくるのかもしれない。

「同じではないなにか」

見た目が殆ど一致しているのにもかかわらず、行動・思考・感覚が一切違うものが現れたらどうだろう。怖いところがあるのかもしれない。形状は同じに近づいたとしても本質的なところは違うというところでの違和感から「不気味」性が来る。この違和感の一つに、頭部の無機物と身体の有機物の境界線というのがあるだろう。

人間の身体は基本的に有機的であり、怪我をすれば血が出たりする。だが、異形頭は頭部の見た目が無機物であったり異質なものにすげ変わっており、傷つけたときに何が起こるかわからない。見た目通りに金属は金属のように傷が付き、硝子なら割れてしまうかもしれない。もしかしたら見た目は無機的なのに怪我をしたら「ミ」が出てくるかもしれない。兎に角今までの常識や法則が覆すその姿そのものが「不気味」だ。

今までの人間としての一般常識を覆されたときの、常識が崩れていく感覚とそれを良しとせず排除・拒絶する感情。これもあるかもしれない。余談だが、先程も言ったいつも見かけているものに類似していると思ってよく観察をしたら、性質も法則も何もかもが異なった時の衝撃とオリジナルとの差異から来る「不気味」さ。今話題のゲームでも最終盤になってやっと出てくるキャラクター群がいるのだが、彼らの抱える不気味さにもこれに近いものを個人的に感じていたりする。

一見普通に見えても、しっかり観察をすると少しずつ違和感を感じるようになる、遅効性の「不気味」さもここの枠にはいるだろう。このタイプが好きな人も少なくはない筈だ。

不気味さと神秘性は紙一重。不気味な異形頭にはやはり浪漫がある。怪異系が好きな方は是非こういう異形頭も探してみてほしい。